特別対談

KMバイオロジクス株式会社
パパ・ママ必見!子どもへの新型コロナワクチンは必要?

「子どもは新型コロナワクチンを接種した方がいいの?」「どんな副反応が出るのかが心配」──。新型コロナワクチンについて、こんな疑問や不安を抱く保護者も多いのではないでしょうか。そこで2人の子どもの母親である女優の遠藤久美子さんが世のパパ・ママを代表して、ウイルス感染症の専門家である医師の北村義浩先生に、子どもへの新型コロナワクチン接種の意義を伺いました。

ワクチンは目に見えないプロテクター

遠藤先生、今日は新型コロナワクチンについて色々教えていただきたいと思います。日本では多くの大人が既にワクチンを接種していますが、子どもも接種した方がいいのでしょうか。

北村子どもを感染から守るためにも接種をお勧めします。幼稚園や保育園、小学校といった集団生活での子ども同士のコミュニケーションは、とても濃密ですよね。マスクをしていても途中で取ってしまっておしゃべりをしたり、取っ組み合いのけんかをしたり。

遠藤私の子どもも好奇心旺盛で、いろんな物を触ったり、人とおしゃべりをしたがります。

北村子どもに「ちゃんと感染対策しなさい」と言っても難しいですよね。そんなとき、ワクチンは目に見えないプロテクターとなって子どもを感染から守ってくれるのです。

遠藤子どもは新型コロナウイルスに感染しても重症化しにくいと聞いたのですが。

北村ほとんどの場合は重症化しませんが、まれに重症化することがあります。また、喘息や心臓の病気、糖尿病などの持病を持っている子どもは重症化する可能性が高くなります。ワクチンには重症化を防ぐ効果もありますので、特に持病のある子どもにはワクチン接種を強くお勧めします。ただし、免疫不全など免疫が弱まっている子どもの場合は、ワクチン接種ができるかどうか、かかりつけの医師に尋ねるようにしてください。

 また、新型コロナウイルスに感染すると、後遺症が残る子どももまれにいます。味やにおいが感じられなくなったり、何かを覚えるのが苦手になったりするのですが、特に多いのが息切れや倦怠感です。後遺症のせいで小学校の45分の授業を全部聞いていられないという子どもの話も聞きます。感染から1年たっても症状が治まらず、不調を訴える子もいるようです。こうした後遺症も、ワクチンを接種しておくとリスクを下げることができます。

遠藤ワクチンは感染を予防するだけでなく、重症化や後遺症のリスクを減らすこともできるのですね。ウイルスは変異するそうですが、変異した場合でもワクチンの効果はあるのですか。

北村新型コロナウイルスの変異のスピードはとても速く、小さな変異の度にそれに対応したワクチンを作るのは大変困難です。でも、ウイルスが大きく変わってしまうほどの変異が起きることはまれなので、ワクチンの効果が期待できます。その点は安心してもらって結構です。

遠藤私の家では祖母と同居しているのですが、祖父母と一緒に住んでいたり、地域のお年寄りとの交流がある場合は、子どもからウイルスがうつってしまわないかも気になります。

北村高齢者は重症化しやすいと言われていますからね。例えばインフルエンザウイルスの場合、地域の子どもがインフルエンザワクチンを接種することで、同じ地域の高齢者がインフルエンザで亡くなるリスクを減らせます。新型コロナウイルスでも同じ効果があるかどうかまだ完全には分かっていませんが、子どもが新型コロナワクチンを接種することは、高齢者を含む地域全体を守ることにつながります。

副反応は大人より子どもの方が軽い

遠藤大人の場合、新型コロナワクチンの接種後に副反応で熱が出た例が少なくありませんでした。子どもの場合はどのような副反応が出るのですか。

北村 義浩 先生

日本医科大学 医学教育センター副センター長、 特任教授

北村子どもの副反応も大人と同様に、発熱や接種した部位の腫れ、痛みが多く、頭痛や倦怠感、吐き気などもあります。新型コロナワクチンの副反応は、子どもが接種する他のワクチン──例えば4種混合ワクチンやインフルエンザワクチンの副反応とほとんど同じです。また、新型コロナワクチンの副反応は、大人よりも子どもの方が比較的軽いと言われています。

 1つ知っておいていただきたいのが心筋炎という副反応です。心筋炎とは心臓の筋肉の炎症のことで、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンというタイプの新型コロナワクチンに特徴的な副反応です。年齢が若い男性で、1回目よりも2回目の接種の際にあらわれることが知られています。男の子の保護者であれば少し心配になるかもしれませんが、基本的には命に関わるようなものではありません。心臓は大切な臓器なので入院して治療を行いますが、何日かすれば退院できます。

遠藤ワクチンといえば、定期の予防接種や任意のものも含めて、子どもはたくさんの予防接種をしますよね。私も、子どもの予防接種のスケジュール表を見て「こんなにあるの?」と驚きました。初めての予防接種で、予診票の保護者の署名欄に自分の名前を書くとき、すごく緊張したのを覚えています。子どもの体に何かあったらどうしよう、と。接種したあとは心配でずっと子どもの側で様子を見ていました。

北村最初はやはり不安ですよね。ワクチンの予診票や説明書をもらったら、書いてある内容をしっかりと読んでいただき、分からないことや不安なことがあれば、遠慮せずに医師や看護師に聞いてみてください。「発熱している方は接種できません」といった注意事項も書いてありますので、接種当日に子どもの体調が優れないようでしたら、無理に接種しないで延期しましょう。

遠藤何かイベントの予定があると熱を出してしまう子どももいますから、日頃から子どもの健康状態をきちんと把握しておくことが大切ですね。新型コロナワクチンを接種したら、将来、体に良くない影響が出てくることはありませんか。

北村理論的にも実際の研究データから考えても、そのようなことはほぼありません。10年後、20年後にワクチンが原因で何らかの病気になったり、その子の次の世代、つまり孫の世代に何らかの良くない影響が出てくることもありません。

 ワクチンには「生ワクチン」や「不活化ワクチン」、「トキソイドワクチン」など様々な種類があります。現在、日本で12歳未満の子どもが接種できる新型コロナワクチンは「mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン」という種類で、ウイルスのタンパク質を作る元になる遺伝情報の一部を注射します。そのため、体に良くない影響が及ぶのではないかと不安視する声もあるようですが、注射するmRNAは数分から数日といった短い時間で体内で分解されてしまうため、長期的な体への影響はないと考えられています。

遠藤新型コロナワクチンが登場してからまだ数年しかたっていないのも、少し不安になる理由の1つかもしれませんね。

北村実は、遺伝子を使った病気の治療に関する研究は1970年代から行われてきました。みなさんにとっては、新型コロナウイルスが流行し始めてすぐにmRNAワクチンが登場したように感じるかもしれませんが、実際には50年以上にわたる研究実績があるのです。そうでなければ、いくら最先端の医療技術があっても1年以内にワクチンを作るのは困難です。

正しい知識を身につけることが大切

遠藤 久美子 さん

女優

遠藤新型コロナウイルスやワクチンについて私もインターネットで調べたのですが、分からない単語がたくさん出てきて、その度に調べながら読み進めなければなりませんでした。一方で、マンガで分かりやすく解説しているものもあって、それはとても読みやすかったです。ある程度の年齢になったら子どもにも説明した方がいいと思うので、親子で一緒に読めるものが増えたらいいなと感じました。今は新型コロナウイルスの情報があふれていて、中には不安になるような情報もありますが、私たちは何を参考にすればいいのでしょうか。

北村ごくまれにしか起こらないような重篤な副反応の事例は、どうしても目につきやすいものです。そういった事例を取り上げたウェブサイトの中には、重篤な副反応が頻繁に発生しているかのように記しているものもあります。仮にそういうウェブサイトを見たとしても、惑わされないようにしましょう。信頼できる情報は、厚生労働省や都道府県などの公的機関や大学などが発表しています。かかりつけの病院のウェブサイトも参考になると思います。新しい情報も次々と出てくるので、時々チェックした方がいいですね。

遠藤一人ひとりが正しい知識を持って、不確かな情報に惑わされないことが大切なのですね。ところで、ワクチンについて子どもの親同士で話していると、医師によって説明内容が違っていることがあり、戸惑ってしまうことがあるのですが……。

北村 子どもはそれぞれ成長の早さや健康状態が違いますから、どの小児科医もその子に合わせた対応を取っていると思います。ですので、よその保護者が受けた説明と、ご自分が受けた説明が違うこともあるかもしれません。まずは、かかりつけの医師の話を聞いて、疑問に思うことがあれば質問してみましょう。

遠藤あと、子どもがワクチンを接種する、しないということについて、周りから何かネガティブな言葉や扱いを受けないか気にする保護者もいるようです。先生はどのようにお考えですか。

北村 接種する、しないで子どもや保護者が批判されたり、不公平な扱いを受けることがあってはなりません。学校行事なども接種の有無によって子どもを区別すべきではありませんし、広い気持ちでお互いの価値観を認め合うことが大事です。

遠藤今後のことをお聞きしたいのですが、これからも子ども向けの新型コロナワクチンが色々と登場してくるのですか。

北村 現在も新たなワクチンの開発は進められています。先ほど、ワクチンにはいくつかの種類があるとお話ししましたが、子どもが接種できる不活化ワクチンの開発などが進められています。不活化ワクチンは従来から使われているインフルエンザワクチンと同じタイプのワクチンなので、mRNAワクチンなどの新しいタイプのワクチンに不安を感じる保護者の中には、こちらを選択肢の1つとして検討する例があるかもしれません。とはいえワクチンは、健康な人や持病のある人、子どもから高齢者までみんなが使うため、どんなタイプであっても非常に高い安全性が確保されています。

遠藤ワクチンの開発は、どのように進められているのですか。

北村 ワクチン開発では「治験」という製品化に向けた重要な試験を行います。治験の前のステップでは、動物実験でワクチンの有効性や安全性を十分に確認します。ただし、最終的には人での効果を確かめなければならないので、治験で一般の方々にボランティアとして参加していただき、有効性などを確認します。

遠藤ワクチンの開発には多くの方々の協力が必要なのですね。新型コロナワクチンについて、これまでは難しくてよく分からない部分もあったのですが、先生がとても分かりやすく話してくださったので「なるほど!」と理解することができました。

 その上で大切だと感じたのは、まずは体調などを含めて自分の子どもをよく見ること。そして、ワクチンについて親が正しく理解することです。親が理解していなければ、子どもにも伝えられませんから。正しい知識を家族みんなで共有し、ワクチンとの向き合い方を話し合いたいと思います。

北村 どのワクチンにも当てはまることですが、「接種すれば防ぐことができ、そして防がないと困る病気」だからワクチンが作られているのです。今日お話しした新型コロナワクチンの効果と安全性を踏まえると、接種のメリットは十分にあります。かかりつけの医師とよく相談しながら、家族みんなで前向きに考えていただけたら、と思います。

遠藤本日はどうもありがとうございました。

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